社会経験を重ねていくと多くの人がぶつかる壁に”人を育てる(部下育成)”があります。
人を育てる経験値を得ていくことで、解決していくのですが、当事者はそんなのんきに待っていられません。しかし、まず大切なことは、
1.部下が育つのを待つのではなく、自分の育てるスキルが上がるのを待つこと
部下は一人ではないですし、人事異動や退社などで、指導対象者は常に変化あるいは、増えていきます。一人を育てるだけでも苦労が絶えないのに、これ以上育てるなんて無理だと思うことでしょう。しかし、人はそれぞれであるため、人を育てる書物をいくら読んだところで、効果的な指導はなかなかできないものです。
時間はかかりますが、多くの部下を育てる経験こそが、最短で効果的であり、最も大切なことであると、経験を重ねることで気づくのです。
毎日、全力で休みの日も部下育成の勉強やセミナーに参加して一年で部下育成をやめた人よりも、5年間部下育成を続けている人のほうが、人を育てる力は高いのです。
やはり、継続は力なりです。
ご存知のように、人を育てる力を得ることは、簡単なことではありません。
焦って急いで力を得ようとするのではなく、うまく育てることができない自分にオッケーを出し、少しずつ改善していくことを強くお勧めします。
2.話を聞き、指導ではなくコーチングをすること
人を育てる上で、とても大切なことです。指導する側は、どうしてもいろいろ教えようとしますが、大抵はうまくいかないでしょう。
どれだけ学歴がある人でも、同時にいろんな業務が指示通りにできるようにはなりません。
むしろ学歴のある人ほど、自分なりにいろいろ考えてしまい、失敗することが多いでしょう。
だからこそ、その失敗に目を向けてもらい、自分でどうすべきかを考えてもらうのです。
そして、どう行動するか話してもらってから、ようやく助言をするのです。
また、話を聞き、相手がどう感じ、どう考えているかを知ることができます。
何度も話を聞き、改善を自発的にしてもらうことが大切なのです。
3.強要せず、自発的行動を促す
2つ目に大切なことと連動しているのですが、話を聞き、コーチングすることで、相手は、強要されたと感じないでしょう。また、自発的行動を促すことができ、不満に感じることが、少なくなるでしょう。
コーチングは、人材育成のスキルの一つです。これも時間はかかりますが、習得することで、育成期間を短縮することができるようになります。
育成者にできることは、実は少ないのです。相手が社会人であればなおさらです。
私は、経営者であるとともに、小中学生の教師でもあります。
小中学生にもコーチングは、非常に効果的ですが、教育的指導も多く必要です。
社会人の場合は、学生時代に学んだ学問により、最低限の思想や行動・実行力を持っています。
育成者の価値基準で判断することは、良くないのです。人はそれぞれであるため、ある程度尊重せねばならないのです。よって、自発的行動を促すことが最善であるという結論に至ります。
4.責任を課し、責任の所在を明確にすること
仕事において、責任感は大変重要な感性と言えます。
責任感を感じていない仕事に対するモチベーションや行動は、あまり良い結果を生みません。
人を育てる上で、対象者にどのような責任があるのかを先輩として説明し、実際に体験させる必要があります。部下の責任は、上司が取るものという考えがありますが、それも一理ありますが、それは上司にとって必要な考え方であって、人を育てる上では、良くない結果をもたらすことが多いといえるでしょう。
責任を上司が取ってくれると考えることで、部下には、安心感が生まれると同時に、その仕事に対するプレッシャーとモチベーションを著しく低下させることになるのです。
ある程度のプレッシャーがあるからこそ、仕事はおもしろいのです。プレッシャーのない仕事ほど退屈なことはありません。それで人は育たないのです。
人を育てるために必要なのは、責任を取る環境を用意してあげることなのです。
もちろん、失敗をしたことで、解雇されるようなことがあってはいけません。そこは、育成者の責任において、未然に防ぐ必要があります。
5.部下をよく観察し、愛情を持って見守ること
責任を課す上で、育成者は、部下をよく観察し見守らなければなりません。
人を育てる経験の浅い人は、この観察が苦手で、自分の仕事をこなしながら、部下の観察がなかなかできないのです。
部下を観察し見守ることは、育成者にとって、必ず行わなければならないことです。
人は、周りから自分の行動を称賛されることで喜びます。
以外にも見られていたことで、称賛されると、なお喜びます。
観察しなければ、称賛することはできません。
どんな些細なことでもいいので、部下の行動を観察し称賛するのです。
そうすることで、部下の承認欲求は満たされ、上司と部下の間に信頼関係が生まれます。
以上が、私が20年以上経営と教師を続けた結果、人材育成の上で得た結論です。
このブログを読んで、一人でも多くの人の人生がより良くなれば幸いです。